腱鞘炎ってなに?
まず筋肉・腱鞘の説明からしたいと思います。
筋肉は主に真ん中に近いところが太く、両端の骨につながるところが細くなっています。
その細くなっている腱をさや状(もしくは筒状)に守っているのが腱鞘です。
そして筋肉を使う時、腱鞘の中で腱が滑らかに動くのが本来の状態。
でも動く回数が多くなり過ぎたり、強い力がかかりすぎて腱鞘と腱のこすれる力が強くなり過ぎたりすると、腱と腱鞘が傷ついたり炎症が起きて熱を持ち痛くなることがあります。
その状態が腱鞘炎です。
腕を使いすぎて痛い!
来院される方で多いのは・・・
お仕事でマッサージをしていてついつい同じところの筋肉を使って揉んでしまったり、
まだ小さなお子さんを抱っこすることの多いママさんが無理な体勢で家事をしたりお出かけしたり、
料理人さんがフライパンであおる動きを何度もしたり、
美容師さんがヘアカットで数え切れないほどハサミで切る動作を繰り返したり、
その繰り返す日々の腕の使い方によりオーバーワークとなってしまっているのです。
腕の使い過ぎで痛いけど使わない訳にはいかない
なんとも悩ましい。
使い過ぎが原因だと分かっているから身体を休ませたい。
でも、お仕事だったり誰かに替わってもらうわけにもいかない状況だから無理して痛みを我慢しながら、心を無にして頑張り続けるしかない・・・
こうなってくると、少々身体を休ませる程度ではどうにもならなくなってきますよね。
そしてとうとう無理すらきかなくなってしまうんです。
頑張りすぎてしまったあなたへ
無理が効かなくなるほど痛みの症状がこじれてしまったら、基本的には「強制終了」だと思って原因となっている動作をすることは一旦あきらめてください。
(それでもあきらめきれなければ医療機関へ。)
腱鞘炎への鍼ですが、痛みの出ている部位に直接届かせることが出来ます。
狙い撃ちです。これは鍼の得意とするところです。
以下のような経過をたどります。
痛くて動かせない
→ 痛いけど動かせる
→ 痛みがやわらいで動かしやすくなる
痛みの強い部位だけでなく、実は関連のある他の部位も凝り固まっている場合はそちらもやわらげておく必要があります。
例えば手首付近の腱鞘炎でも、肩周辺や背中のこり、筋疲労が残ったままだと良くなりにくい場合があります。
また、腱鞘炎が良くなってもぶり返しやすくなります。
何度も繰り返してしまわないためにしっかりと良い状態を取り戻していただきたいです。